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マルチ出力で簡易同期演奏システムを組む

PagePilot Viewer は譜めくりだけのアプリではありません。 複数の出力を備えたオーディオインターフェースと、アプリ内の A/B ミキサー を組み合わせると、専用機材を足さずに「PA には音源、ドラマーにはクリック」を同時に送る、簡易な同期演奏システムを作れます。

譜面・セットリスト・参考音源・テンポ管理を 1 台にまとめたまま、出音の振り分けまで面倒を見られるのが強みです。

どんなことができるか

たとえば 4 出力(2 ステレオペア)のオーディオインターフェースをつないだとき、ミキサー A と B を別々の出力先・別々のバランスに設定できます。

  • ミキサー A(出力 1-2)→ PA・客席:参考音源だけを流し、クリックは混ぜない
  • ミキサー B(出力 3-4)→ ドラマーのイヤモニ:クリックを主役にして、合図用に音源をうっすら

これで、客席には演奏に必要な音だけが届き、ドラマーは手元でクリックに合わせられます。同期演奏に踏み出すための、いちばん小さな構成です。

音を作る ミキサーで配分 出力先 音源(参考トラック) メトロノーム(クリック) 鍵盤(音取り) どちらのミキサーへも供給 ミキサー A → 出力 1-2 ● 音源:オン ● メトロノーム:ミュート ● 鍵盤:お好みで ミキサー B → 出力 3-4 ● メトロノーム:オン(主役) ● 音源:うっすら ● 鍵盤:ミュート PA・客席へ 音源だけが届く ドラマーのイヤモニへ クリック中心
音源・メトロノーム・鍵盤はどちらのミキサーにも届き、ミキサーごとに「何を・どれくらい・どこへ」出すかを決めます。

設定の組み方

  1. 4 出力以上のオーディオインターフェースを端末につなぎます。
  2. ミキサー設定シートで ミキサー A を選び、出力先をインターフェースの ステレオペア 1-2 にします。音源をオン、メトロノームをミュートにします。これが PA へ送る系統です。
  3. ミキサー B に切り替え、出力先を ステレオペア 3-4 にします。メトロノームをオンにして主役にし、音源の音量を下げてうっすら混ぜます。これがドラマーへ送る系統です。
  4. インターフェースの 1-2 を PA へ、3-4 をドラマーのモニターへ配線します。
  5. セットリストの曲ごとにテンポを設定しておけば、曲を開くたびにクリックが本番のテンポで鳴ります。

応用のヒント

ミキサーは A・B の 2 系統です。そのため独立した送り先は 2 つまでですが、出力数の多いインターフェースなら、その 2 系統をどのステレオペアへ出すかを自由に選べます。たとえばドラマー送り(ミキサー B)に鍵盤の音を足して、ステージ上で音を確認することもできます。

本番で頼れる理由

このシステムが本番で使えるのは、PagePilot Viewer のオーディオまわりがステージ前提で設計されているからです。

音が途切れても譜めくりは止まらない

ケーブル接触などで一瞬音が途切れても、譜めくりやタイムラインの進行は止まりません。「バンドは演奏を続けているのに譜面だけ止まる」事故を避ける設計です。

抜き差ししても勝手に内蔵スピーカーへ落ちない

インターフェースを抜いても、自動で内蔵スピーカーから音が出ることはありません。同じ機器の再接続を待ち、つなぎ直すと元の出力先へ自動で戻ります。

1 台のデバイスにつき 1 系統で安定

同じインターフェースを A/B 両方で使っても、内部では 1 本のストリームにまとめて扱います。USB オーディオにありがちな取り合いによる切断を避けます。

ソースごとに細かく配分できる

音源・メトロノーム・鍵盤は、ミキサーごとに音量・パン・ミュートを個別に決められます。「この系統にはクリックだけ」という分け方が自然にできます。

使うときの注意

  • 端末の音量ボタン:複数出力や 1-2 以外のペアへ出しているときは、端末本体の音量ボタンが効きません。インターフェース側のつまみか、ミキサー内の各音量で調整してください。
  • サンプリング周波数:出力は最大 96 kHz までです。端末の負荷を抑え、本番中の安定を優先しています。高い周波数の音源も読み込め、出力のサンプリング周波数に合わせて変換して再生します。

出力先ごとの詳しい挙動は、ミキサー設定のヘルプにまとめています。

さらに広げる

クリック送りからもう一歩進めて、DAW の再生位置に譜面そのものを追従させたいときは、PagePilot Conductor 連携が次の選択肢になります。

画面ごとの操作は Viewer マニュアル を参照してください。