準備した曲、PDF・MusicXML・MEI から作った楽譜、音源を探して再利用する画面です。
ライブラリ
前に使った曲や取り込んだ楽譜を探すときは、上部メニューの「ライブラリ」を開きます。セットリストから曲を外しても、曲、楽譜、音源はここに残り、また使えます。 本番用の曲を今すぐ入れたいだけなら、ライブラリで整理せず セットリスト詳細 の追加ボタンから始められます。
探したいものに合わせてタブを選ぶ
| 探すもの | タブ | できること |
|---|---|---|
| 前の本番で準備した曲 | 曲 | 楽譜を開く、曲を複製する。別のセットリストへの追加はセットリストから行う |
| PDF、画像、歌詞、MusicXML・MEI から作ったページ | 楽譜 | 楽譜を探す、名前・タグを直す、PDF に書き出す |
| 伴奏や参考音源、音声つき動画 | 音源 | 試聴する、追加する、名前・タグを直す |
楽譜作成アプリから書き出した MusicXML・MEI の元ファイルは、補助画面の「元ファイルを管理」で探します(元ファイルの管理)。 検索語を短くし、必要な場合だけタグや並べ替えを使って探します。元ファイルは名前・タグを編集せず、元のファイル名と登録日時で探します。
楽譜ファイルを取り込む
PDF、MusicXML(.musicxml、.xml、.mxl)、MEI(.mei)は、同じ「楽譜ファイル」から選べます。ライブラリの楽譜タブの追加、またはセットリスト詳細の「ファイルや写真から」で開きます。MusicXML/MEI を先に別画面へ登録したり、自分で PDF に変換したりする必要はありません。
MusicXML で作れる楽譜が複数あるときは、「MusicXML から楽譜を作成」でフルスコアまたはパートを選びます。選択肢が一つなら、その確認を省いて作成します。MEI は単一楽章のフルスコアを作成し、別パートの抜き出しには対応しません。
作成後は PDF と同じ楽譜タブに並び、表示、注釈、曲への割り当て、PDF 書き出しを行えます。同じ元ファイルと選択内容で作成済みの楽譜がある場合は、それを使うか「独立して追加」するかを選べます。再利用では既存の注釈や曲との関係を保ち、独立して追加すると別の楽譜になります。
PDF と MusicXML/MEI の選び方
作成元の見た目を保ちたいなら PDF、PagePilot で移調や楽譜の音楽情報を使いたいなら MusicXML を選びます。 MEI を持っている場合も同じ入口で使えますが、フルスコア限定で、変換できない表記があります。
| 使いたいもの | 向いている形式 | PagePilot での扱い |
|---|---|---|
| 作成元の改ページ、書体、細かい記号の配置 | 書き出したページをそのまま読みます。注釈や手動で設定する自動ページめくりを使えます。 | |
| 移調、パートの選択、元ファイルの修正を使った更新 | MusicXML/MXL | 音符などの情報からアプリが楽譜を描きます。元と同じ版面を保証せず、取り込み・変更後の表示確認が必要です。 |
| 楽譜からテンポ・拍子・ページめくりを自動設定 | MusicXML/MEI | 新しい曲を作ると、安全に読み取れた情報を設定します。PDF の音符を解析して自動設定する機能ではありません。 |
MusicXML/MEI では、元の改ページを維持せず、ページ数や記号の配置が変わることがあります。フルスコアや、そのファイルに含まれる全パートを表示する場合は元の改段に従い、フルスコアから抜き出したパートはアプリが段を組み直します。取り込み時に表示用のページを作って保存するため、初回作成、更新、移調には時間がかかります。開くたびに作り直したり、画面サイズに合わせて段を組み直したりはしません。
PDF でも注釈や自動ページめくりは使えますが、楽譜自体の移調、元ファイルからのパート生成、MusicXML/MEI の音楽情報を使った更新はできません。MusicXML/MEI を選んでも、PagePilot で音符を編集したり、その音符を音源として再生したりはできません。音符の修正は作成元のアプリで行います。
MuseScore/Dorico で作った楽譜
まず上の基準で PDF または MusicXML を選び、楽譜作成アプリから書き出します。MuseScore の .mscz/.mscx や Dorico の .dorico はそのまま取り込まず、編集用の原本として手元に残してください。
- MuseScore(デスクトップ版): 「ファイル」→「エクスポート」で PDF または MusicXML を選び、書き出すパートを指定します。公式の書き出し案内を参照してください。
- Dorico(デスクトップ版): MusicXML は「ファイル」→「書き出し」→「MusicXML」でフローとレイアウトを選びます。PDF は印刷モードでレイアウトを選び、出力先をグラフィック(Graphics)、形式を PDF にして書き出します。MusicXML の書き出しとPDF などへの書き出しを参照してください。
版や iPad 版によって操作名や配置は異なります。どの書き出し元でもすべての表記を同じように再現できるわけではありません。MusicXML を試す場合は、作成元の PDF も見比べるために残すと確認しやすくなります。両方を取り込んでも、一つの楽譜に統合したり PDF の見た目に MusicXML の能力を付けたりはしません。
曲タブ
曲タブでは、以前のセットリストで準備した曲を確認できます。 同じ楽譜を別のセットリストでも使い回すときや、1 曲だけ複製して別の設定を試したいときはここが手がかりになります。 曲をタップすると楽譜表示へ進み、メニューから複製やゴミ箱への移動もできます。
曲には、使う楽譜のページ範囲、音源、タイムライン、曲の長さなどが保存されています。そのため、曲タブには長さ、先頭を除くキューの数、楽譜名、音源名が表示されます。キューの数にはテンポ・拍子だけを変えるものも含まれ、ページめくりの回数とは限りません。
曲を複製すると、同じ楽譜を使いながら別の準備を試せます。 たとえば同じ PDF から通常版と短縮版を作る、別の音源を合わせる、自動ページめくりだけ作り直す、といった使い方に向いています。
曲をゴミ箱へ移しても、元の楽譜、MusicXML/MEI の元ファイル、音源ファイルがただちに消えるわけではありません。 削除されるのは、その曲のページ範囲、音源、自動ページめくり、表示などの設定です。 楽譜と音源はそれぞれのタブで、MusicXML/MEI は「元ファイルを管理」で確認してください。 セットリストで使われている曲は、まずセットリストから外してから削除します。
楽譜タブ
楽譜タブでは、取り込み済みの楽譜を一覧できます。 検索、タグ、並べ替えを使いながら、必要な楽譜を探してセットリストへ使い回せます。 楽譜が曲で使われている場合は、関係する曲をメニューから開けます。
楽譜タブには曲で使う元の楽譜が表示され、同じ楽譜を複数の曲で使っていても一つだけ並びます。 楽譜のメニューからは名前、タグ、複製、ゴミ箱への移動などを操作できます。
メニューの「PDF に書き出す」からは、その楽譜を PDF にして共有シートへ渡せます。 印刷したいとき、PagePilot Viewer を使っていない相手へ渡したいときに使います。 歌詞カードやコード付きテキストも含め、ビューアーで表示できる楽譜はすべて書き出せます。 注釈を書き込んである楽譜は、注釈込みで出ます。テキストや自由入力ラベルは検索できますが、写真やスキャン画像の楽譜内容を OCR する機能ではありません。
使用中の楽譜は、誤って消すと曲やセットリスト側にも影響するため、ゴミ箱への移動も完全削除もできません。 使っている曲を開きたいときは、メニューの「この楽譜を使う曲を開く」から、その楽譜を参照している曲を選べます。
音源タブ
音源タブでは、曲に合わせて使う音源を管理できます。 その場で再生確認しながら整理できるので、「この曲の参考音源はどれだったか」を探しやすくなります。
音声ファイルのほかに、動画ファイル(MP4 / MOV など)も音源として登録できます。動画も音声と同じく、右下の追加ボタンから追加します。 音声・動画ファイルは、取り込み時にその端末で音声を読み取れるかを確認してから登録します。ファイルが破損している場合や、再生・複製を制限するコンテンツ保護が設定されている場合は、MP3 / WAV や MP4 / MOV など、ファイル選択画面で選べる拡張子でも登録できないことがあります。 動画つきの音源は、対応する外部ディスプレイをつなぐとその映像を客席へ映せます(iPhone / iPad と Android。詳しくは 外部ディスプレイへの映像出力)。つないでいないときは、音だけの音源と同じように使えます。
音源は、楽譜とは別に管理されます。 ここで名前やタグを整えておくと、曲で使う音源を選ぶときに探しやすくなります。 音源をタップするとプレビュー再生でき、再生中はその場で停止できます。 曲で使われている音源を削除する場合は、確認後に曲から音源が外れます。 音源自体をゴミ箱から復元しても、以前その音源を使っていた曲へ自動では再設定されません。
元ファイルの管理
「元ファイルを管理」では、登録済みの MusicXML/MEI を独立した元データとして一覧できます。ファイル名で検索し、ファイル名または登録日時で並べ替えて、使いたい元ファイルを探します。通常の表示・注釈・曲への追加は楽譜タブで行い、元ファイルの管理は保存済みの元ファイルを探すための補助画面です。セットリスト追加の「ライブラリから」の「MusicXML」でも、そこから楽譜を作成できます。
項目をタップするか、メニューの「楽譜を作成」を選ぶと、フルスコアまたはパートを選んで新しい楽譜を作れます。作った楽譜をセットリストへ追加して曲にするときの流れは、セットリストへの追加元を選ぶ を参照してください。
MEI ファイル(.mei)も「楽譜ファイル」から同じ手順で登録でき、「MEI 5.1」のように版を付けて並びます。MEI から作れるのはフルスコアの楽譜です。元の MEI はそのまま保存し、楽譜は MEI から変換した MusicXML で描き、テンポ・拍子・反復などの演奏情報は MEI から読み取ります。変換すると音符や記号が欠ける MEI は登録できず、その理由が表示されます。扱えない組み合わせは下記を参照してください。
MusicXML/MEI の通常の削除はゴミ箱への移動です。ゴミ箱から復元すると「元ファイルを管理」に戻せます。完全削除を選ぶと登録した元データを削除し、取り消すことはできません。作成済みの楽譜は表示できますが、更新や移調は同じ内容の元ファイルを選び直すまで行えません。MusicXML の別パート作成にも元ファイルが必要です。MEI のパート抽出には対応していません。
曲の設定と楽譜の更新
ここで楽譜を作るだけでは、既存の曲の設定は変わりません。その楽譜を使って新しい曲をセットリストへ追加すると、読み取れた演奏情報が自動で設定されます。設定内容と確認先は セットリストへの追加元を選ぶ を参照してください。
既存の楽譜を更新する場合は、「楽譜」タブの対象楽譜のメニューから「楽譜を更新」を選びます。楽譜を更新しても、すでにその楽譜を使っている曲は旧版のままです。「曲」タブの対象曲のメニューの「更新を続ける」から変更を確認し、その曲を新版へ切り替えます。
MusicXML の別のパートを使う場合は、楽譜メニューの「別のパートを追加」から作成します。別の楽譜として保存され、元の楽譜・曲・注釈は変わりません。移調量は元の楽譜から引き継ぎ、追加前に変更できます。MEI からのパート追加はできません。
更新では、テンポ・拍子と表示移動を分けて確認します。改段・改ページだけでは同じテンポ・拍子を変更扱いにせず、自分で調整した内容を無断で上書きしません。手で調整したキューの位置は保ちます。新しい楽譜と合わない場合は、切り替え後に位置を確認・調整してください。書き込み(注釈)は確認の対象ではなく、同じページ番号のまま引き継ぎます。既存の曲の長さは自動で変わりません。
MusicXML/MEI の楽譜を移調する
MusicXML/MEI 由来の楽譜では、楽譜・曲のメニューまたは曲の設定から「移調…」を開き、原調からの変更量を -12 から +12 半音で選びます。現在の表示調からの増減ではなく、原調を基準にした絶対値です。0 半音に戻すと原調へ戻ります。
「この楽譜を使うすべての曲を移調」を選ぶと、その楽譜を使う曲を、ゴミ箱内も含めて同じ移調版へ切り替えます。「この曲だけ移調」を選ぶと、注釈を複製した独立した楽譜を作り、その曲だけを切り替えます。同じ曲を別のセットリストで使っている場合は、そちらにも同じ切り替えが反映されます。
注釈と手で位置を調整したキューは、移調しても位置を保ちます。そのため移調後の音符と合わなくなることがあります。利用者が指定したページ範囲は保ち、全ページを使う曲は新版のページ数へ合わせます。移調後の表示を確認してください。TAB 譜、打楽器譜、移調楽器がある場合は、表示結果を確認するよう案内が出ます。括弧付きまたは校訂上の臨時記号は移調後に省かれることがあるため、必要な箇所を確認してください。
対応していない表記・表示上の制限
MusicXML または MEI から楽譜を作る場合、次の制限があります。
-
曲の途中で同じ譜表の線の本数が変わる表記。例えば、打楽器の持ち替えに合わせて、1 本線から 5 本線へ切り替わる譜面です。小節の境目で切り替わる場合も含みます。線の本数や音符の位置が原本と異なることがあります。
これは途中で線の本数が変わる表記の制限であり、打楽器譜全般を非対応とする説明ではありません。このケース専用の警告は表示されません。
-
装飾記号とスラーが重なって表示されることがあります。 例えば、ターンなどの装飾記号にスラーの線が重なり、記号や線を読み取りにくくなる場合があります。すべての組み合わせで起きるわけではありません。この重なり自体は音高や音符の長さ、反復の順序を変えるものではありませんが、演奏前に判読できるか確認してください。
-
装飾音に付くグリッサンドの線が表示されないことがあります。 通常の音符間のグリッサンドへの対応とは別の制限です。演奏に必要な線が残っているか、原本と見比べてください。
原本の見た目を保ちたい場合は、楽譜作成アプリから PDF に書き出して取り込んでください。PagePilot で作成済みの不正確な楽譜を PDF に書き出しても、表記は直りません。
小節反復記号が音符で表示される場合
MusicXML に指定された 1・2・4 小節反復は、条件がそろう場合に反復記号で表示します。ここでいう小節反復は「直前の小節と同じ内容を繰り返す」省略記号であり、反復小節線や D.S./D.C. の演奏順とは別です。同じ音符が並んでいるだけでは、自動で反復記号に置き換えません。
次の場合は、該当する反復単位を記号に置き換えず、MusicXML に入っている音符や休符で表示します。 2・4 小節反復の一部だけを 1 小節反復へ変えることはありません。同じ反復区間に完全な単位と端数の単位がある場合は、完全な単位だけを記号にし、末尾の端数は音符で表示します。
- 反復のまとまりが段をまたぐ、表示範囲からはみ出す、または参照元の小節が表示範囲にない場合。
- 音符につながらない終端を持つスラーが、反復単位の音符に指定されている場合。小節線へ向かうスラーを保つため、この指定がある単位は音符で表示します。
- 反復単位の音符から単位の外や別の譜表へ伸びる、実際に描かれるタイ・スラー・グリッサンドなどがある場合。トリルの波線は、単位を横切るだけでも音符表示に戻します。
- 装飾音、歌詞やその延長線、TAB 譜、複数小節休符との併用、単位の頭・途中に音部記号・調号・拍子などの変更がある場合。
- 3 小節など対応外の長さ、対応外の記号の形、反復指定の重複など、記号化する範囲を安全に決められない場合。
同じ反復単位・同じ譜表の中で完結する、解釈できたタイ・スラー・グリッサンド・連符などは、音符と一緒に反復記号へまとめられます。始点と終点の両方が反復単位の外にある線は、波線を除き、記号の上を通過していても記号化を妨げません。相手の音符が見つからず、もともと線が描かれない指定も、記号化を妨げません。テンポ・強弱・コードなど、音符とは独立した指示は残ります。
反復記号にしても小節幅は縮めません。 ページ数が減ることや、作成アプリと同じ改段になることは保証しません。また、記号化できない場合に専用の警告は出ません。原本が音符を非表示に指定していると、その指定は残るため、記号化できなかった小節が見えないままになることがあります。元データにない音符を作ったり、非表示の音符を強制表示したりする機能ではありません。
取り込み後は演奏に必要な内容が読めるか確認してください。原本の省略表記や配置をそのまま使いたい場合は、楽譜作成アプリから PDF に書き出して取り込んでください。
テンポ・括弧・文字などの表示の制限
次の点は、MusicXML の表示と、MEI から変換して表示する楽譜に関わる制限です。原本の音楽情報を読み取れることと、表記や配置をそのまま再現できることは異なります。
- 非常に長いメトロノーム記号が譜表の幅を超えると、端が途切れることがあります。自動縮小や折り返しは行わず、利用者向けの警告も出ません。
- 音価どうしで示すテンポ関係はタイを含めて表示しますが、数値の BPM を推測して設定することはありません。数値BPM形式のタイや、詳細な書式の再現は対応範囲外です。
- 反復括弧の点線・破線は、その線種を保持して表示することには対応していません。反復先や回数を扱うこととは別の制限です。
- 譜表グループ名・略称は、2パート以上を束ねる通常の入れ子構造なら表示します。1パートだけのグループは表示対象外です。範囲が交差するグループが1組でもある楽譜では、別の譜表への誤表示を避けるため、すべてのグループ名・略称を表示しません。表示用に別指定された文字や臨時記号は反映せず、通常のグループ名・略称を表示します。通常の名前がなく表示用の指定だけがある場合、ラベルは表示しません。文字ごとの書式や原本どおりの配置も保証しません。
- ヘッダー文字は、MEI から変換できた先頭ページの文字を上部に並べ直して表示します。権利表記として読み取れた文字はヘッダーの独立した文字にはせず、楽譜の末尾に表示します。原本の自由な位置、文字の一部だけに付けた書式、2 ページ目以降の文字や画像は再現できません。MusicXML を直接取り込んだ場合も、自由な配置の再現は保証しません。通常の曲名やパート名まで非対応という意味ではありません。
同じパート内でも、譜表ごとに指定された調号を読み取って表示します。後続のパートや下段の譜表だけで調号が変わる場合も、表示中の譜表であれば、変更前の小節線が二重小節線になることがあります。非表示のパートの変更だけでは二重小節線を追加しません。
装飾記号に添えた重嬰記号は、元データの指定に応じて二つのシャープと交差形を描き分けます。字形の高さに応じて、譜表の上下の余白や譜表間隔が変わることがあります。横方向の間隔の計算は変えず、音高や音符の長さも変えません。
また、修正待ちの不具合として、小節頭より前に指示を置く指定(負の offset)は、正確な時点を保持できない場合があります。対応不要とした仕様ではありません。演奏に必要な時点を原本と照合してください。
MEI の変換で扱えない組み合わせ
MEI のすべての表記・組み合わせに対応しているわけではありません。意味が一意に決まらない情報を推測したり、別の記号へ置き換えたりして変換を続けることはしません。
- 小節途中で拍の単位が変わり、位置が拍数で指定されている場合は、どの拍単位で位置を読むかを決められないことがあります。ファイル内で対象の音符などを明示的な ID で参照できる場合は扱えます。通常の小節境界での拍子変更全般が非対応という意味ではありません。
- 反復元に属性変更や小節をまたぐ線がある小節反復は変換できません。通常の小節反復への対応とは別です。MEI の反復内容を音符へ展開できるかと、その音符を画面で反復記号にまとめるかは、異なる判定です。
- 古楽・校訂資料などで使う特殊な音部記号は対応範囲外です。通常のト音記号などへ置き換えません。
- 音高を持たない打楽器の符号化と、楽器の名称を伴う曲中の持ち替えは、現在の MEI 変換では対応していません。固定した譜線の本数を扱えることは、打楽器の意味や楽器変更の全面対応を意味しません。音色番号だけから楽器名を推測することもしません。MusicXML 側の音色情報の再構成も対応範囲外です。
- 譜表グループの一部分だけを再定義する場合は、どの括弧や名称の更新かを一意に対応付けられないものを扱えません。変更した譜表だけの定義更新や、グループの全範囲を示して一意に照合できる再定義まで一律に拒否するわけではありません。
- 別々の声部の装飾音の前後関係は、元データに参照関係や順序情報がないと一意に決められません。複数声部全般の非対応ではありません。
ファイル作成者向けの補足:小節内の keySig/meterSig は full MEI の限定拡張として扱うもので、この扱いを MEI Basic 5.1 への適合とするものではありません。位置の拍数指定は tstamp、小節反復は mRpt が該当します。
MEI に書き出されなかった情報は復元できません
書き出し元のアプリが小節・休符・装飾音の斜線などを MEI に残さなかった場合、その MEI だけから復元することはできません。小節番号の飛びなどから内容を推測して補うこともしません。
MuseScore 4.7.5 で確認した特定の例には、長い休符部分の小節・休符情報が抜けるものと、装飾音の斜線指定が失われるものがあります。MEI 形式そのものの限界や、すべての MuseScore 出力に起きる問題を意味するものではありません。
情報が欠けている場合は、作成元の楽譜ファイルを残し、必要な情報を含む MusicXML や、書き出しが修正された版からの再出力を用意してください。再出力した表現を PagePilot が扱えるかは、別途確認が必要です。見た目を保つことが目的なら、作成元からの PDF を使ってください。
日本語と欧文以外の文字
MusicXML から作る楽譜の文字(曲名、作曲者、パート名、テンポ語句、歌詞、コード記号)は、アプリが同梱している書体で描きます。日本語、欧文(Dvořák や Bartók のようなつづりを含む)、ギリシャ文字、キリル文字、ハングル、簡体字・繁体字、タイ文字、デーバナーガリー、アラビア文字、ヘブライ文字、アルメニア文字、ベンガル文字、エチオピア文字、ジョージア文字、グジャラート文字、グルムキー文字、カンナダ文字、クメール文字、ラオ文字、マラヤーラム文字、オリヤー文字、シンハラ文字、タミル文字、テルグ文字、チベット文字、ミャンマー文字、絵文字はそろえて持ちます。書字系と言語の一覧はMusicXML の楽譜で使える言語と文字にあります。
同梱の書体にない文字は、端末が持つ別の書体で描きます。文字が消えるわけではありませんが、書体が途中で混ざり、文字の幅も変わるため、同じ原本でも段やページの区切りが iPad と Android で変わることがあります。
取り込みの直後に「一部の文字はアプリのフォントにないため、端末のフォントで表示しています」と表示されたときが、この状態です。
- 上に挙げた書字系だけで書かれていれば、iPad でも Android でも同じ場所で段が変わります。
- それ以外の書字系(チェロキー文字、モンゴル文字、シリア文字など)を使うときは、曲名やパート名を欧文で書き直すと、どの端末でも同じ見え方になります。
- 母語のまま使いたい場合は、どの言語で使いたいかを開発者へお知らせください。取り込める書体を増やす検討に使います。
楽譜のページは取り込んだ時点で確定します。あとからアプリが対応する書体を増やしても、すでに作った楽譜は作り直されません。古い版で取り込んだ楽譜を今の書体で描き直すには、同じ MusicXML/MEI を「独立して追加」するか、楽譜メニューの「楽譜を更新」で更新します。作成済みの楽譜を再利用すると、以前のページのままです。
取り込み方法
右下の追加ボタンは、開いているタブに応じて役割が変わります。
楽譜タブでは楽譜、音源タブでは音源を追加します。MusicXML/MEI の楽譜は PDF と同じ「楽譜ファイル」から追加します。元ファイルの一覧は「元ファイルを管理」で開けます。
曲タブには追加ボタンはありません。新しい曲は、セットリスト詳細 でファイルや写真から曲を追加したとき、または既存の曲を複製したときに作られます。
準備済みの曲を別のセットリストでも使いたい場合は、セットリスト詳細で ライブラリから、曲 の順に選びます。
取り込んだ直後に名前やタグを整えるときも、同じ楽譜のメニューから行います。
MusicXML は、セットリスト詳細の ファイルや写真から、楽譜ファイル からも取り込めます。
クラウドストレージから取り込む
iCloud Drive・Google ドライブ・Dropbox・OneDrive など、端末で利用できるクラウドストレージに置いた楽譜も、ファイル選択画面から取り込めます。通常は、事前に端末内へ保存し直す必要はありません。直接取り込めない場合の別の選び方は、下の「Android でクラウドの楽譜が見えない・取り込めないとき」を参照してください。
事前設定は、初回の一度だけです。
- iPad / iPhone(iOS) — そのクラウドの公式アプリ(Google Drive など)を入れてサインイン → 「ファイル」アプリを開き、ブラウズのトップ画面で右上の「⋯」→「サイドバーを編集」から、そのクラウドをオンにします。
- Android — そのクラウドの公式アプリを入れてサインインします。ファイル選択に対応したアプリは、取り込みのファイル選択画面の左上のメニューから選べます。クラウド名ではなくアカウント名などで表示されることもあります。
クラウド上のファイルを選ぶと、端末へのダウンロードは自動で行われます。回線が遅いときや大きな PDF では少し時間がかかることがあります。
Android で別のアプリの画面から楽譜を選ぶ
Android では「楽譜ファイル」のほかに、「他のアプリから」も使えます。Google ドライブなどのアプリの選択画面から、楽譜を選んで PagePilot へ取り込む方法です。
- ライブラリの「楽譜」タブで、右下の追加ボタンを選びます。
- 「他のアプリから」を選び、利用するクラウドアプリへ進みます。
- そのアプリの画面で楽譜を選び、PagePilot に戻ったら取り込みを進めます。
セットリストでは、追加ボタンから「ファイルや写真から」→「他のアプリから」の順に選べます。楽譜の差し替えや修復元を選ぶ画面でも利用できます。 候補に出るアプリは、インストールされているアプリと、そのアプリが対応するファイルの種類によって異なります。「他のアプリから」は iPad / iPhone には表示されません。
Android でクラウドの楽譜が見えない・取り込めないとき
Google ドライブなどに追加した PDF が「楽譜ファイル」の一覧に出ない、またはクラウドから取得できない場合は、次の順で進めます。
- ファイル選択画面を閉じ、PagePilot の取り込み元で「他のアプリから」を選びます。利用するクラウドアプリの画面から、目的の楽譜を選んでください。
- そのアプリが候補にない、またはこの方法でも取得できない場合は、クラウドの公式アプリで、元のファイルを残したまま端末内の「ダウンロード」などのフォルダーへコピーします。「ダウンロード」「保存」「エクスポート」など、操作名はクラウドアプリによって異なります。Google ドライブでは、ファイル名の横のメニューから「ダウンロード」を選びます(Google ドライブの公式手順)。
- 保存が終わったら PagePilot に戻り、「楽譜ファイル」から端末内の保存先を開いて、そのファイルを選びます。クラウド側の同名ファイルではなく、保存したコピーを選んでください。
「オフラインで使用可能」にすることと、端末内のフォルダーへコピーすることは別です。クラウドアプリ内で開けるだけでなく、「楽譜ファイル」から選べる保存先にファイルを置きます。共有リンクを保存するのではなく、PDF などのファイルそのものを保存してください。
端末内のコピーや取り込み済みの楽譜で、形式の非対応や PDF の破損を示すエラーになる場合は、一覧にファイルが出ない問題と分けて確認します。「この PDF を開けませんでした。ファイルが破損している可能性があります。」という表示だけでは、元の PDF の破損が原因とは断定できません。対応する形式か、別の PDF ビューアーで開けるかを確認し、開けない場合は正常な元ファイルを入手して取り込み直してください。
「他のアプリから」はファイルの選び方を変える機能であり、破損した PDF を修復する機能ではありません。正常な元ファイルを選び直す際には使えます。セットリストの曲そのものを削除する必要はなく、その曲で使う楽譜を選び直します。別の PDF ビューアーでは開けるのに PagePilot で開けない場合や、取り込み直しても解決しない場合は、端末・OS・PagePilot のバージョン、クラウド名、行った操作、表示されたエラーを添えて問い合わせてください。通常の回避手順として、アプリの再インストールやデータ・キャッシュの消去は必要ありません。
削除と容量整理
通常の削除はゴミ箱への移動です。 ゴミ箱から戻せますが、端末の空き容量は増えません。
容量を空けたいときは、対象のメニューから完全削除を選べます。 完全削除は取り消せません。 楽譜と曲は、曲やセットリストで使われている間は完全削除できません。 MusicXML/MEI は、「元ファイルを管理」のメニューから完全削除できます。ゴミ箱へ移した元ファイルも、ゴミ箱から完全削除できます。 音源は、確認したうえで曲から外して削除できます。
共有受信への入口
この画面から 共有受信 を開くこともできます。 別の端末から送られてきた楽譜や音源を、そのままライブラリへ取り込みたいときに便利です。
困ったとき
- セットリストに入れたい曲や楽譜が見つからないときは、「曲」または「楽譜」で取り込み済みか確認します。MusicXML/MEI の元ファイルだけが保存されている場合は、「元ファイルの管理」から楽譜の作成を再開できます。
- すでに準備した曲を別のセットリストでも使いたいときの流れは、上の「取り込み方法」を参照してください。
- 同じ楽譜を使う曲が複数あって見分けにくいときは、曲タブの表示(長さや音源名など)を手がかりにします。
- MusicXML/MEI から別の楽譜を作りたいときは、「元ファイルを管理」で項目を開き、フルスコアまたはパートを選びます。MEI はフルスコアだけを作れます。
- 削除したつもりのファイルを戻したいときは ゴミ箱 を確認します。
- 複数の楽譜へ同じタグをまとめて付けたいときは 一括タグ編集 を参照します。